強化クラッチの巻き
2009年 11月 04日
サイレンサーの音質から来る錯覚なのかも知れませんが、クラッチが滑っているのではと、思うことが多くなってきました。
そこで、湿式多板クラッチプレートも消耗品ですし、5年目4万5千キロのわかばん号もそろそろ交換しても良い時期かもと思い、いつものように折角交換するんだったらとアフターパーツを調べました。
EBC ヘビーデューティークラッチプレートとヘビーデューティー強化スプリング! ベビー・ビューティーではありませんぞ。
HEAVY DUTY =〉丈夫な, 酷使に耐える! です。
ヨーロッパからの輸入品は、在庫無ければ納期半年はざら。 在庫あったら2週間ほどですかね。 気長に待とうと思っていたら。 期待はずれて1週間で到着。
開封してみます。
クラッチプレートはさすがビュティーだぜベイビー!
スイングアームのピボット部分のフレームキャップも舶来物にしたんですが、発注の時間違って赤のアルマイト頼んだようで。
開けてびっくり、そんなことアルマイト!
ゴールドに塗ったんですが、素人塗装は輝きません。 後でペイントリムバーで剥ぎます。
そして、交換する新品のヘビーデューティークラッチプレートも並べて置きます。
一番奥と一番手前のプレートがそれぞれ形が異なりますが、中間の8枚は同じです。
クラッチプレートはかなり擦り減っているように見えます。 また、金属のプレートはステンレスと思われますが、高熱で変色したような青い縞模様が特に中間のプレートに多く見られます。
これは、バックトルクリミッター付きのGSX1400ですので、急なスロットルOFFで後輪がエンジンを勢い良く回すエンジンブレーキ時の、後輪タイヤのグリップを確保する為に、わざとクラッチを滑らせてしまう機能で高熱となったのか。
それとも、パワーアップしたエンジン出力に耐え切れずクラッチが滑っていたのかわかりませんが、最近の症状から考えると後者のような気がします。
もし、ステンレスプレートが高温で青く焼けていたのが本当なら、かなりの温度ですからエンジンオイルの負担も大きかったのではないかと想像します。
ハイカム+FCRで推定160PS(関西K氏のインプレでは180PSはある)ですから、クラッチへの負担は大きいのは当たり前。 それに、巨体とキャンプ道具満載で発進したり、急加速するんですからね。
おいラッカースプレーとか油性ペイントは高温のエンジンオイルで落ちないのか。 色落ちしたら、また違う色にでも塗りなおして、オイル交換のたびに装いを変えるのも手ですな! とポジティブに。
そこで、まずオイルドレインボルトを・・・。
あっ! 4万5千キロを走行してすでにオイル交換も10回を超えているのに、オイルドレインボルトのガスケット1度も替えてないヤンケ。
古いガスケットをニッパで切断して、新しい純正ガスケットをはめて、ドレインボルトを締め始めます。
当然、手で締められるところまで締めます。 もし、ボルトが斜めに入った場合、工具使わないで手で締めている限りはねじ山をナメることは無いからです。
しっかり、新品ガスケットのところまで入りました。 そこで、ラチェットレンチを持ち出して、17mmボックスでギーコギーコ。
「なんか硬いな」「でもガスケット潰れるまで締めないと」・・・・・ギーコギーコギーコ・・・ぽろん。
ぽろん?
ドレインボルトが落ちました。
落ちたドレインボルトを見ると、ねじ山がありません。
「あっと! ボルトのねじ山ナメてしもた」 「このままだと来週の淡路島行かれへんやん」
でも純正ボルト頼んで間に合うんか?
そうだヤフオクだ! GSX1400用のマグネット付きアルミアルマイトドレインボルト980円! これこれ! すぐ落札!
よしよし、これで、週末はOKだな。
「しかし、なんでそんなに弱いの? オーバートルク? 何度もガスケット交換しないで強く締めていたから? トルク管理してなかったしな~。」
「そうだヤフオク入札したけど、それより南海部品かRSタイチに行けばすぐボルトはあるだろう」とタイチへ電車でGO。
ハイカムでお世話になった整備課のY氏
「これと同じドレインボルトありますか?」
「ちょっと見せてください」
「これ見てください、アルミがねじ山に付着していてポロポロ取れてきます。」
「それが?」
「これは、ボルトがナメているのではないですね~。」
「は~?」
「オイルパンのねじ山がナメたのです!」
「なに! ワカパンなめとったらあかんで~!」
「オイルパンです!」
と、言うことは。
「ドレインボルトを買っても仕方ないと言うことですか!」
「ハイ!」
「次の週末ツーリングあるんですが。」
「オイルパン外せますか?」
「たぶん。」
「外して持ってきたらヘリサートできますよ。」
「・・・そんなんお金がヘリサート」
「とりあえず帰ってオイルパン外してみます。」
えらいこっっちゃ!
よくオイル交換しているので、中は綺麗ですね。
とか言ってる場合か!
左上のガスケットをつぶす際のトルクで逝ってしまってます。
今からタイチに引き返し、ヘリサート?
ありました。 ひっくり返すと、オイルパンとドレインボルトも健在。
開けてみますと。 オイルが劣化して、コールタールのようになっていますが使えそう。
ガスケットは硬化してパリパリです。 このエンジンはK1だったかな。 ガスケットは再利用できませのでカッターできれいにリムーブです。
新品のような輝きになりました。
接触面を脱脂して、シリコンシールで完璧にオイル漏れを防ぎます。
オイルパンは常に高温のオイルで満たされていて、オイル漏れ出やすいですから。
ちなみに純正のオイルパンは1万1千円台。 ガスケットは800円台です。
作業はたいへんですけど、血相変えて心配するほどのことでもありません。
これで週末のツーリングもOKです。
試運転しました。
クラッチレバーは当然重くなりましたが、以前からセミラジアルレバーで軽すぎたので、適正な重さと申しましょうか。
また、発進も遠かったクラッチミートポイントも近くなり、でもクラッチの切れも良い。 満点でございます。
クラッチの滑りらしきものもなくなりました。
前回も同じGSF1200用。 これで3代目。
なぜか、このベーシックな形が好みなんです。 今回は、エキゾーストパイプが触れて焼けないように、リューターとヤスリでエキパイにあわせてカットしました。
でも、走行フィーリングや音はテーラーメードのアンダーベリーのほうがヨカです。
クラッチプレートボルトが赤になったので、そんなことアルマイトのフレームキャップも間違って注文した赤でOKということで。 一件落着~く。