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ACC電源の安全な取り出し

NAVIやETC・レーダー等の比較的消費電力の小さなものの電源が欲しい場合。 タンクを外してバッテリーから直接取っても良いのですが、バッテリー直だとイグニッションキーをOFFにして駐車している時や長く保管しているときも電源が入っちゃう訳でして、ちと困ります。

また、ヒューズを使用せずにタンク下に常に+の電源を通しておくのは、万一電線の被膜でも破れて金属部分に接触したら、ショートして火花が出るどころか、バイク火災の原因にもなります。 もし、タンク下に電源ケーブルを這わせる場合は、銅線を保護するチューブに通した上、バッテリー直近で10A程度のヒューズをいれましょう。

ハンドル周りへの機器取り付け時に、手軽にイグニッションONの時だけに電力を供給する、ACC(アクセサリー)電源をタンクを外さないで簡単に取れないか? 今回はリクエストもございましたので、特集をさせていただきます。

ただし、グリップヒーターやフォグランプや後付けホーンなどは消費電力が大きく、この方法ではヒューズボックスのヒューズを切ることもありますので、お勧めできません。 これら、個人での改造は自己責任ですので、くれぐれもよろしくお願いします。

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まずGSX1400のハンドル周りへの電気の配線図を見て、イグニッションON時に電源として利用できる配線を見つけて見ます。

右ハンドルスイッチ部分配線図で、O/G(オレンジ・グリーン)の銅線が2箇所も来ています。 このO/GこそがACC電源として利用できる、イグニッションON時に12Vを取り出せる配線です。

イグニッションONしたら、ヒューズBOXを通してO/Gがフロントからリヤまで電力を供給します。 もし、シート下などで電源が欲しい場合、ヒューズBOXからO/G線から電源を取り出します。(自分はそうしてます)

配線図を見ていただきますとそのO/GがGr(灰・グレー)とつながっています。 また、機器に電源を供給するためには-(マイナス)またはアースとも言われる、バッテリーのマイナスに戻る線と接続して初めて機器が使えることになります。

そのアース線がB(黒・ブラック)です。 都合の良いことに、右ハンドルスイッチには灰色のプラスと黒のマイナス両方が供給されていますので、作業が簡単なのが想像できます。

では、書き入れたブルーのラインのように、さっそく電源取り出しを実践してみましょう。

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ハンドルスイッチ右はこれです。

ステアリングが左右に回ることも配慮して、長めで余裕があるケーブルですので、引き出してあげるとかなり出てきます。 今回はそのケーブルのできるだけ下(ヘッドライトの後ろで隠れる)から電源を取り出し、外観を崩さないようにします。

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作業しやすくて、出来るだけ下のケーブル皮膜にカッターを縦にいれます。

この時、中の銅線が傷つかないように慎重に確実に皮膜だけを切ります。 4センチほど切ったほうが作業がやりやすいと思います。

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はい! これが今回の主役で、Grグレー君とBブラック君です。

たくさん線があるけど、明るいところで探すとすぐ発見できます。 もともとハザードスイッチに行っていますが、LEDではないノーマルのウインカー4個を同時に点滅させる電源を供給するので、約23W×4個かな。
電力供給には問題ないと思われます。 ただし、ハザード焚いた時に電力が奪われ電圧が下降してNAVIなどが再始動する場合も想定できますが、自分のゴリラがバッテリー付ですのでその実験ができていません。
問題ないとは思いますが、そのあたりご承知おきください。

この2本の銅線から電源を取り出せばいいので、最近電線からタップ(分岐)できるものもあるので、
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それを使ってもOKっす。


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でも今回はオールドファッションWAYをご紹介します。 ハンダ付けです。

ハンダ付けは、元の銅線も強くしっかり接続します。 ですから振動の大きいバイクには安心です。

まずこの2本の銅線の皮膜を5mmほど剥きます。 この時大事なのは、中の銅線を切らずに皮膜だけ剥くために、カッターナイフで皮膜だけ2箇所輪切りにして、それを縦にまた皮膜だけ切り、ペンチで剥き取ります。

そうすると、中の線を切らずに皮膜だけ取り外せます。

Grグレー君とBブラック君の皮膜を取る位置は、数センチずらしておきましょう。 これがあとでなぜ必要なのかわかりますよ。

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5mmくらい露出した銅線にまず少量のハンダを流します。

これはあとで電源を取り出す銅線を巻きつけた時に、中と外からハンダが融合して、とてもしっかり結線するからです。

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次にバイク用品店で売っている防水タイプコネクター(2線用)を用意します。 これを使うと必要な時だけコネクターに機器を差し込んで使えて、取り外しも楽ですし、別の機器に電源を供給する場合の工作もバイクから離れてできます。

このコネクターに皮膜がある黒・赤(銅線の色はどうでもよい)の2線ケーブルを適当な長さ20センチもあればOKを用意し、接続作業をします。

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まず両方とも同じ長さで切断した黒・赤の銅線の先端皮膜を約5mmほど剥き、付属の防水シリコンキャップを先に取り付けます。

この蓋は、雨水の侵入以外にも、銅線が動いても折れにくいように工夫されていて、耐久性も出てきます。

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それから付属のピンに銅線をペンチで取り付けます。

細かな作業ですが、コレとハンダ付けができるようになると、楽しさ100倍っす。 なんの?

何年使用しても断線したり、ピンから銅線が抜けないように、このピンにもハンダ付けを軽くできれば完璧です。

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ピンをコネクター本体にカチッというまで入れると、抜けなくなります。

その後、防水キャップを押し込んでしまいます。

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こんな感じにできあがります。 このコネクター先端と電源が欲しい機器と接続するわけです。

NAVIとかですとバイク用は買ったこと無いので、電源取り出し器具は知りませんが、4輪用ですとシガーライターソケットから電源を取るケースが多いようで、シガーライター用のコネクターが付いています。

その場合それを切断して、今回のコネクターにつなぐわけです。 プラスとマイナスは間違わないように。

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つぎに、先ほど作りましたコネクター線の反対側をGrグレー君とBブラック君に接続する作業です。

数センチ皮膜を取る位置をずらしたのは、このように2本の線が元のケーブル皮膜の中に戻ったときに接触しないようにするためです。

ずらした位置に合うように、銅線の長さを変えて切断して、先端を約1センチほど皮膜取りをしておきます。

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先端の皮膜を取った銅線を、黒はBブラック君のハンダが付いた銅線に巻きつけます。

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その上からハンダ付けをしますと、完全に一体化してしまいます。

これは、銅線を2本分離してよじってハンダ付けをするのと比べると、元の銅線の断線強度よりも強くなります。 バイクにはこれがおススメです。

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プラスのGrグレー君とマイナスのBブラック君がここで接触すると、火花が出てヒューズが飛びますが、このように数センチずらすことで接触はしません。 

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銅線2本をもとの皮膜の中に戻します。

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切開した皮膜をビニールテープで巻き無事オペの終了です。

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これはプロの仕事に近いと言わせて頂きたい。 これをヘッドライトの奥に押し戻します。

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イグニッションONと同時に電圧がかかるかテスターで調べておきます。 14Vを超えているのは、バッテリーチャージャーを接続して充電中だったからです。 通常12V前後っす。

いかがでしたでしょうか。 今回のわかばん簡単講座。 不明な点はコメントしてくださいね。



ハンダ付けついでに、たくさんの線の接続をしなくてはならない事を一気にやっちゃいます。
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なんと、アグラスのフェンダレスキットの後部に大穴が・・・。

ディスクグラインダーでフレームに接続している部分を残して、切断!

この時FRPの削りカスは、アスベスト入りなので強制換気と防塵マスクをして行いました。 肺がん注意!

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ディスクグラインダーの切断面をヤスリできれいにします。

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そうです! イギリスから配送されてきたダブルテール付きアンダートレーです。

ウインカーケーブル・テールランプ・ナンバープレート・ストップランプの各ケーブルを、前出のハンダ付けによるタップでしました。

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埋め込み式ウインカー付です。

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いかがですか。 この「おいど」 後ろから見るとホンダに見えるかも。

ところでナンバープレートどう付けるねん。

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これで、下まできれいにしなあきまへんわワックスで。
by wakaban0925 | 2009-10-25 20:44 | わかばんの簡単講座・その他

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