ヨシムラST1ハイカム組み込み(パート1)
2007年 12月 15日
どのメーカーも普通にエンジンを作れば、リッター100PS超えは当たり前の時代に、GSX1400は1401CCという排気量でありながら、後輪出力は100PSに押さえられました。 設計サイドはネイキッドでは時速200Kmが限界という考えを元に、適切な車重に対する出力を算定して、最高出力を決めたようです。
それは納得できる設計思想です。
しかし、圧縮率を低くし、特にエキパイは2重管構造で内径が600CCクラスマルチと同じであり、ストックカムも中低速重視で設計されているのは明らか。
ノーマル状態では、低回転に尋常じゃないほどのトルクがあり、6000回転以上レブリミットの9000回転までは、あまり美味しくないようです。
わかばん号は、吸気はエアークリーナーを取っ払い、K&Nパワーフイルター×4で、排気にも手を加えて、パワーコマンダーで燃調していますので、推定125PSくらいまではNOS(ナイトラスオキサイド)を使用しなくても出ていると思います。
先月のサーキット走行時に、常用回転数がストレートで7000~9000回転でしたが、若干のパワー不足は感じたものの、スムーズにエンジンは回っていました。
しかし、4000回転までのトルクは少し削って、逆にスムーズな定速走行を期待し、中回転域以上にパワーを回したい。 そんな思いが積もり積もって、ST1カムへ行き着きました。
と言っても、ヘッドカバー簡単に開けれるところまでは作業しておかないと、叱られますので予定時間の3時間ほど前から作業開始しました。
ガソリンタンクを外して・・・・。
コイケッチ先生の事前の情報では、エンジン周りの取り外せるものすべて取り外さないとヘッドカバーが外れないとのことで、スロットルボディーも取り外します。
スロットルボディからのスロットルケーブル脱着は、装着状態では不可能と聞いていましたので。
NOSシステムのオーバーホールと、ガソリンもれがあるラインへのフッ素テープ巻き込みや、掃除です。 また、イグニッションコイルも取り外しますので、ノロジーケーブルに取り替えます。
もう一つ交換するスペシャルパーツがありますが、ナイショ! (パート2)をお楽しみに。
で、まもなくシリンダーヘッドカバーご開帳!!
「綺麗っすね!」とお褒めをいただきました。
2万3千キロ乗ったエンジンでも、モチュール300Vを惜しみも無く3000Kmで交換してきましたので、そう言ってもらえると・・・・ うれしい~!
カムシャフトカバーをボックスレンチで外して・・・・。
ミドリ色の300Vが溜まってますが、内部はホントに新品のように光っています。
カムチェーンが落ちないようにスプレーのフタを置いて、次の行程に進みます。
このスプロケットボルトは、かなりシッカリとまってますので、緩ませるのは大変。
そのために、ST1カムの為に、純正部品の新品カムスプロケとボルトを取り寄せていたのに、ボルトがIN・OUTで4本要るのに、2本しか頼んでなかったのです。 だから、このようにボルトを緩めて再利用しようとしています。
これにスプロケットを装着します。 ボルトにはネジロック剤を塗布し、エンジン内部ですのでトルク管理は絶対必要ですから、トルクレンチで規定トルクで締め上げます。
これはリフトの高くなったST1カムに、カムカバーの一箇所だけ接触するというもので、K5はおそらく加工無しでもOKそうですが、組み込んでカム山と接触したら怖いので、コイケッチ先生に削ってもらいました。
この時点で、しょくにんさんご来店!
「もう組み込み終わっちゃいました!」
やったー! シグナルジェネレーターのTマークにクランクシャフトを合わせて、事前にマーキングした場所にカムチェーンをセットしました。
次にタペットクリアランスを見ようと、クランクシャフトを少し動かした時。 ガシャガシャ!と、カムギヤーとカムチェーンがずれてしまいました。
カムチェーンテンショナーを付けてなかったわ。
なんだかんだとずれたスプロケットを修正し、タペットクリアランスを測定します。
コイケッチ先生いわく。
これはモチュール効果でしょう。
全然直打のバルブフェイスが減ってないんですよ。
100分の4ミリくらい無視しましょう!
ヘッドカバーを元に戻しました。
と言うことで、作業開始から約6時間が経過し、腰そろそろ辛くなってきたので、今日の作業は一旦終了。
つづく