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GSX1400 YOSHIMURA ST1 ハイカム作業のコツと難所とは

今日は久々のわかばんガレージ開催です。 ヨシムラST1カムを名古屋のK7に組込みます。

ハイカムへの交換については幾度かコメントをさせて頂いていますが、1401CCの巨大な油冷エンジンを100PSへ抑えるために、若干無理な味付けになってしまった感のある、低回転域の太すぎるトルクを理想的に削り、6千回転以上のパワーを太らせて全回転域においてGSX1400の持っているポテンシャルを引き出す、費用対効果の最も高い改良と言わせて頂いています。 マフラー交換よりかなり費用対効果が高いと言えますが、外観の変化が無いので本人の自己満足領域に留まるかもしれません。

そういった意味でも、バイク屋に放り込んでハイカム交換をオーダーして納車では、「あ~良くなったねー」で終わるかもしれませんので、オーナー本人がハイカム交換に自ら挑戦すると言うことは、愛機GSX1400に新しい魂を吹き込む意味でも重要と思います。 
それでは開始!!


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本日は名古屋からK7さんです。 輸出用マップへの切り替えや、最近能登の宿泊ツーリングにも参加頂きました。 


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スズキテストコースで定期的に開催される北川圭一ライディングスクールをご紹介し、参加され、後半のテストコース外周の高速走行で、ノーマルカムの高回転域パワー不足を痛感し今回の交換となりました。
そういう意味ではリミッターの解除を伴う輸出用マップ取り出しは、罪なことなのかもしれません。 180Km/hで良ければノーマルカムでも十分ですもん。

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わかばんガレージは2005年にGSX1400K5を購入してから使っている母親の美容室跡。 隣には1400のメンバーと使用していたバイク部屋がありましたが、大阪への帰任を期にキッチンに変わりましたのでこちらを利用しています。

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3台GSX1400が入りますね。 今日はわかばん号は部屋の隅へ追いやられています。 寒い時期ですので駐車場での作業は身体に障ります。

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なんと、club1401関西初期メンバーのK氏がチャリで乱入。 お久しぶり~。 ハイカム交換の師匠です。 

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はじめにタンクを取り外し、オイルクーラーをフロントフェンダーに方へ倒します。 エンジン右側のタイミングカバーも取り外し、クランクをレンチで回せる準備をします。 また、ヘッドカバーはイグニッションコイルユニット、2次エアーファイアフラムと2次エア取り入れキャップを外し、ぶら下げた状態で構いませんが、シリンダーヘッドカバーをサイドに押し出す時に邪魔になる物ですので、動かせるようにしておきます。


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【第一難関カムチェーンテンショナー】
シリンダーヘッドカバーを取り外してからでもOKですが、カムチェーンテンショナーを取り外し、カムチェーンをカムスプロケから外れるようにします。 ただ、カムチェーンテンショナーの台座のヘキサゴンボルトは固着しているケースが多く、このボルトをナメてしまうとハイカム交換作業は不可能となります。 まずタンクを外す前に確認すると無難です。 慎重に!
もしナメてしまうとこの狭いスペースでボルトに溝を掘って叩く等、たいへん時間の浪費が待っています。 関東では一台その為にエアクリーナーボックスを外す方が早いとなり、スロットルボディーを外してもエアークリーナーボックスが外れず、ボックスを切断となりました。

あと、台座のボルトを緩める前に、テンショナーのスプリングを押し込んでいるボルトを少し緩めておくとこです。 テンショナーを取り外したあとでは緩めるのがたいへんです。


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無事ヘッドカバーが外れ、カムホルダーも取り外した図です。 エンジン内はきれいですね。
カムカバーは床に置いていますが、Dカバーのみヨシムラの指示に従いカバーをヤスリで加工します。 リフトの上がるハイカムが接触する部分があるようです。

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ST1カムを組み込む為に、新品のカムスプロケとボルトを装着。 強力なねじロック剤でボルトを規定トルクで組みます。 新しいカムには初期当りを想定し、モリブデン等のグリスでリフト部分とカム受け部分に塗布しておきます。

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カムを取り付けてからタイミングカバー側からゆっくりクランクを回し、Tマークとセンサーを合わせて、マニュアルにあるコマ目数に合わせてカムを組込みます。 この時テンショナーが付いていないので、合わせたクランクを回そうとするとチェーンが外れて再びコマ数合わせが必要になるので、触らないことです。
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【第二難関カムチェーンテンショナー】
またもや難関はテンショナー取り付けです。今度は台座は取り付け安いのですが、プッシュボールとスプリングを入れてボルトをはめ込もうとする際、スプリングが強くてなかなかねじ山に合わせて食いつきません。 ここは二人がかりで作業します。

テンショナーが装着できましたら、カムカバーを戻しクランクをゆっくり回しますと、テンショナーのプッシュロッドが「スパン」という音と共に伸びて、チェーンを押すのがわかります。 こうなればエンジンを安心して回せます。

その後、カムカバーの本締めを行い、シックネスゲージでヨシムラ規定のクリアランス測定を行いますが、今までの経験ではこれでNGだったケースはありません。 ヨシムラの製造精度は信頼できます。

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お昼を食べながら、ゲストも来られてワイワイやりましたので時間はかかりましたが、休憩を除くと実質3時間くらいですかね。 最近歳のせいか連続で作業はキツイので休憩が多くなります。

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岡山からI氏。 初参加です。 美しく低距離走行のSE。 ハイカムを受け取り前に入れて納品だったので、ノーマルを知らないそうです。

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おなじみのK氏。 11月より大阪帰任は私と同じで、二人とも関西に軸足を置いての人生となりました。
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本日の記念撮影! 自分だけ寒い冬空にTシャツ1枚かい! と突っ込まれそうですが、作業しているとカロリーの消費で発熱します。

今年2016年も残すところわずかになりましたが、皆様に取りまして来る2017年が素晴らしい年になりますようお祈りしております。

by wakaban0925 | 2016-12-17 19:00 | わかばんの簡単講座・その他

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