スロットルボディの同調ガイド
2009年 05月 24日
わかばんガレージはclub1401メンバーでなくても、GSX1400を愛しているオーナーさんは、参加大歓迎でございます。
はっきり、SUZUKIは昔からちょっとダサい。 でもなんか他社との違いを出すために何かに挑戦するメーカーで、ただしコストはマーケットが許さない。 そこで完璧手前で世に出す。
だから、メーカーとしてのコンセプトを自分なりに解釈して受け継ぎ、オーナーはそこからカスタムを進める。
程度の差はあれカスタムしないと、恥ずかしくて街に出れない。
純正マフラーがいい例ですよね。
十代の頃、知らないアーティストのCD(当時はレコード)をジャケットデザインで買って。 聴いてみて。
たいした事無い曲でガッカリしたのに、数回聴いているうちに各トラックから聴こえる音色やその音を採用した意味をしりたくなって、最後には何十年も経つても大切なコレクションになるような。
それがGSX1400だと思います。
話はタイトルから大きく外れてしまいましたが、そんな未完成なバイクを可愛がる方法やら、長く快適に乗るための整備やカスタムを週末不定期に素人が集まり、ワイワイやっているわけであります。
SUZUKIのバイク作りに共鳴する人間やファンは、変態スズ菌保持者ともいわれますが、GSX1400のような不人気車にこれだけこだわるのは、末期症状です。
わかばんガレージはその感染源となれば幸いですが。
ヘビーTさんのマシンを題材に、わかばん号から取り外してあるスロットルボディーを使いながら解説します。 青いタンクや黒いタンクが出てきますが、ご了承ください。
シートを外して、両サイドカバーを外し、タンクを固定していますこちら2本のボルトを10mmボックスレンチで外します。 クッションゴムは作業中やタンクをずらす時に外れて落ちると、落ちた場所によっては取り出すのに苦労する場合がありますから、この時点で一緒に外しておいたほうがいいでしょう。
クッションは上と下で分かれます。
タンクはずらすだけですから、一切コネクターやホース類は外しません。
同調するときエンジンかけますから。
このようにタンクがフレームに傷を付けないようにクッションを敷き、タンク自体を持ち上げておけるようにします。 硬いダンボールや台と板をつかってもいいでしょう。
このタンク下のスペースは、作業時にとても大切です。 リフトできなかったら、後ろにいっぱいタンクをずらすのでもいいのですが、ガソリン入りタンクは、動かすとガソリンが中で移動するのでバランスがわるく、もし落ちるような事があれば、かなりダメージでます。
ですから、この作業は燃料が目盛り2以下をお勧めします。
コレができると、プラグ交換やらエアーフイルター交換が自分で出来るようになります。
位置的にタンクキャップ真下くらいにあります、負圧センサーのコネクターを一時的に外すことです。
この負圧センサーには、なんと1番から4番までのすべての気筒の負圧が集まってきます。 その各気筒の負圧取出し口を4連負圧計につないでバランスをとりますから、もしこのセンサーが生きていたらホースを取り外した状態(大気圧=1気圧)をECU(エンジンコントロールユニット)に送ります。
通常マニホールド(スロットルボディのバタフライ弁からエンジン内インテークバルブまで)の圧力が1気圧とは、スロットルを全開にしたことになり、ECUは燃料を濃くする補正信号をインジェクターに出します。
つまり、濃すぎてエンジンが止まります。
センサーコネクターを外しておくと、ECUは負圧センサーが壊れたと判断し、FIエラーを点灯させますが、フェールセーフ機能(センサー等が壊れても、なんとか走れるようにする機能)で普通にエンジンが始動できるのです。
これが、同調のポイントの一つ目です。
ここに見えますのは、スロットルボディの負圧取り出し口です。
5本あります。
4気筒なのになぜ5箇所? 左から3番目の気筒には2箇所も取り出し口があります。
ホースがつながっている4本が、前出の負圧センサー用です。
ここでは、黄色矢印が2次エアーシステムにつながる負圧取り出し口です。
そのままつないでおきます。 触りません。
2次エアーシステムにつきましては、減速時やアイドリング時にシリンダーヘッドに新鮮な空気(酸素)を入れて、燃焼温度が低く不完全燃焼しやすい状況で出る有害なガスを酸化促進させ、有害な排ガスを少しでも減らそうとしているシステムと解釈していますが、間違いないかと思います。
わかばん号はこのシステムは取り外しました。 つまりかなりの有害バイクです。
初めてこのホースを外す場合(ほとんどのケースそうだと思いますが)エンジンの熱やら経年変化でかなりしっかりはまっていますので、取り外しには注意してください。
長めのドライバーを使うと、テコの原理を使えますので楽に外せます。 このホースはただのゴムホースですが、裂けたり穴が開くとエアーが入りエンジン不調の原因となりますので、慎重に。
これを4つの気筒すべてにします。
4連負圧計に接続したら、エンジン始動できます。
同調取るときはある程度エンジンがあったまる必要がありますので、5分くらいは暖機してください。 この時、エンジン前方から扇風機で良いので風を当てておいたほうが良いでしょう。
エンジン始動と同時に負圧計はあばれますが、負圧計のつまみを合わせて、微妙に針が振動するくらいのところで4気筒とも調整します。
この時、エンジンを軽くレーシングして4気筒とも同じような針の動きになるようにつまみで調整してください。
2番3番の同調は、スロットルボディに対して上から真ん中のこのネジでします。 ゆっくり大きく回していて、左右に振って2番と3番が同じ位置に来るように調整します。
アイドリングが変調したら、1100回転くらいまでアイドリング調整つまみで合わせて、もう一度負圧計で確認します。 アイドリング位置で決まったら、2000回転くらいまでスロットルをレーシングしてみて、2番と3番が同じ動きをすることを確認します。
2番3番が狂っていなかったら、簡単に決まると思います。
コレくらいの針位置で、同調は取れています。 寸分変わらぬ位置にあわせても、本当にどんぴしゃでは無いかもしれません。
逆にこの負圧計の目盛りで5ほどずれていると、バラツキが体感できます。
4気筒ともアイドリングで揃ったところで、スロットルを開けて違う動きや開けたときに違う数値を指すようでしたら、スパークプラグの劣化・エアクリーナーフイルターの詰まり・インジェクターの詰まりや不調が考えられます。
インジェクターのゴミ詰まりと思われる症状の報告が最近よく寄せられますが、加速や減速は良いのに、一定速度で走ると、バラバラと不快な走りになったり、ドンつきやノッキングの症状が最近出てきたとかの場合。
この同調より、インジェクタークリーナーをまず試したら良いと思います。
自分の経験では、ENEOSの4輪用インジェクションクリーナーを、2回に分けて、満タン2回高速で走ったら急に症状が無くなりびっくりしました。 その後同調見てみたけど、バランス狂ってなかったことがあります。
以上。 試してみてください。