FCRキャブフロートバルブ交換と油面調整
2011年 12月 03日
買いそろえたブロートバルブを忘れてきて完成できなかった先週に引き続き、今週末こそFCRのメンテを終了させます。
東雲のライコランドはFCRの補修部品があるので、電話でフロートチャンバーOリングの在庫を確認しておき、それも交換します。
FCRを分解していてすばらしい体験をできることがあります。
それは、レーシングパーツであることです。 今はインジェクションが主流となり、レースセッティングもPCを接続してマップをオーバーライトするだけですが、FCRはアナログな世界。
感動することと言えば、レースという特殊な状況でセッティングを素早く変更できるしくみや、各パーツの高い精度と、フェイルセーフ機能です。 (フェイルセーフ(フェールセーフ)はなんらかの装置・システムにおいて、誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に安全側に制御すること。またはそうなるような設計手法で信頼性設計のひとつ。これは装置やシステムは必ず故障する、あるいはユーザは必ず誤操作をするということを前提にしたものである。)
たとえば今回分解した部分だけでも、フロートピンも一旦ネジで押さえておいて、さらにフロートチャンバーを装着するときに固定される設計や、バルブシートもネジで締め込むタイプではなく、はめ込んでからネジで押さえるなど、文字にすると訳がわかりませんが、つまり2重ロックてきな装置になっていて、複雑なんですけど分解が簡単というわけです。 レースが育んだ抜群の整備性と耐久性の両立は、大げさですが、時計部品のように正確で無駄が無く美しく、工具から安心感として伝わってきます。
これはフロートバルブを完全に閉めるほどの浮力を持ってバルブを閉めていない可能性があります。
ノギスで淵からフロートトップまで8mmしかなかった浮きを、1mmだけ高く、つまり油面を1mm下げる調整を精密ドライバーで行いました。
これで、軽く押しこんでもフロートバルブに仕込まれているスプリングの力を十分感じられ、浮き自体の動きもすごく軽やかに。
整備前まで、かなりガソリンが揮発している匂いが漂っていました。
パワーフイルターをショートファンネルに変更し、ファンネルにK&Nオイルを塗布したフイルターを装着。
エンジン始動してみると、油面が1mm下がったので、やや薄めとなり排ガスがクリーンになったようす。 とても快調にエンジンが回っています。
ファンネル用にスロー系で主にセッティングを出していきます。 これでノーマルより1.5倍以上大食いだったわかばん号は、多少高燃費になるのかね。